
2世紀からの伝統とテロワールを守る
熱き生産者
生産者について

ダヴィド・ルノーはシャブリから数キロほど離れた小さな村「イランシー」で、4世代にわたってワイン造りを行ってきたヴィニュロンの家系に生まれ、2005年にドメーヌを引き継ぎました。代々得てきた経験、ブドウにかける情熱、そして他には代えがたい愛着をヴィニュロンとして心に刻み、自分自身で学んだことを自らの知識としてきた情熱あふれる人です。
今日、畑をより良くすることに重点を置き、一つの目標に向かって生産量を適度に抑えるようにしています。その目標とは「ブドウからより良い部分を引出し、品質が高くそのアペラシオンにふさわしいワインを作り出すこと」。これを実現するために、自然と環境を鑑みビオロジックで栽培を行なっています。人工的な殺虫剤や除草剤を使用せず鋤きこみを行い、有機堆肥を使用しています。これこそがイランシーのテロワールを最大限に引き出す最適の方法だとの考えにたどり着きました。
ダヴィドは時として自分自身の働きをオーケストラの指揮者になぞらえます。
「指揮者の周りに演奏者が控え、演奏し、そして指揮者に対して素晴らしい作品を生み出す手助けをする。人がいてこそワインが生まれ、ワインがなければヴィニュロンは存在し得ないのだ。」
輸出は、わずか10%。パリやフランス国内で人気の生産者です。
畑・醸造について

イランシーに約11haを所有。全てBIOに転換完了。畑は村を取り囲むようにあるすり鉢状の丘にあり、イヨンヌ全体に広がる丘陵地帯の端に位置しています。土壌はその多くがキンメリジャンに由来する泥灰土。茶褐色の石灰質も含んでいます。標高は130~250mで南~南西向き。
合計13区画所有しており、その多くが樹齢60年を超えるヴィエイユ・ヴィーニュ。このアペラシオンの中でも最高の立地にあるといわれる「パロット」「ボーペシオ」「マズロー」「パラディ」などの区画を所有しており、イランシーを代表するワインをもたらしてくれます。ピノ・ノワールはもちろん重要な品種ですが、この地域に特徴的な品種「セザール」も大切に栽培し守り続けています。補助的に使用されているこの品種はあまり有名ではなく、その名もほとんど知られていませんが、この地方の伝統的な品種として希少であり重要な品種です。ピノ・ノワールに対して数%セザールをアッサンブラージュすることにより、他のブルゴーニュの赤ワインには無い独自性が生まれます。また、セザール100%のキュヴェもリリースしています。
最良のコンディションで醸造を行い、またワインを出来る限り最高の状態とするよう、近代的な設備をドメーヌに備えています。重力を最大限利用出来るシステムを備え、自然な換気システムで温度管理を行います。また雨水を有効に利用できるよう貯蔵する設備も整っています。赤ワインはオープンタンクで10~12日間マセラシオンを行い、定期的にピジャージュとルモンタージュを行います。フルーツの自然なアロマとテロワールをより引き出すため、タンクでエレヴァージュ。ピノ・ノワールとセザールをアッサンブラージュしたワインのみ、228Lの小樽と600Lの大樽を使用しています。これは、わずかに酸化させることでワインに程よい熟成感を与えるためです。
ワインについて
Crémant de Bourgogne Brut
クレマン・ド・ブルゴーニュ・ブリュット
品種 | ピノ・ノワール100% |
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平均樹齢 | 50年以上 |
区画 | イランシー村 |
栽培 | ビオロジー |
イランシーのピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールです。旨みを伴う美味しい酸が素晴らしい、厚みのあるやわらかなクレマンです。
Crémant de Bourgogne Rosé
クレマン・ド・ブルゴーニュ ・ロゼ
品種 | ピノ・ノワール、ガメイ |
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区画 | イランシー村 |
栽培 | ビオロジー |
ピノ・ノワールとガメイを使った、マセラシオン法によるロゼ・クレマン。全体の75%は一番搾り(テット・ド・キュヴェ)。熟成期間は平均12ヵ月で、石灰質土壌由来のミネラルとフレッシュな味わいを保っています。軽やかな泡立ち、重すぎない飲み口、フレッシュ感とフィネスにあふれ、「飲む喜び」を感じさせてくれる洗練されたワインです。
Chablis
シャブリ
品種 | シャルドネ100% |
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区画 | Les Veaux de Noyers (プルミエ・クリュのVaucoupinsの近くLe Mont de Milieuの川を挟んだ反対側に位置する区画) |
土壌 | キンメリッジ階(キンメリジャン)に属する泥灰質粘土質石灰土壌 |
醸造 | 無補糖で天然自然酵母で発酵 ステンレスタンクで澱とともに18ヶ月熟成 |
Irancy
イランシー
品種 | ピノ・ノワール100% |
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区画 | イランシー村 |
平均樹齢 | 50年 |
栽培 | ビオロジー |
優しくほっとする果実味が美味しい、滋味深い赤ワイン。
Irancy Cuvée Cesar
イランシー・キュヴェ・セザール
品種 | セザール100% |
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区画 | 南向きの斜面に位置する単一区画 |
栽培 | ビオロジー |
2,000年の歴史を持ちながら今ではすっかり使われなくなった土着品種、セザールを100%使用。リッチでコクのある、男性的な味わいで、ベルベットのように柔らかいタンニン。鶏肉やウサギなどの繊細な白身肉、トマトソースのパスタや蒸した野菜と相性がよいでしょう。
Irancy Vaupessiot
イランシー・ヴォーペシオ
品種 | ピノ・ノワール96%、セザール4% |
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区画 | Vaupesiotという単一区画 |
栽培面積 | 1.3ha |
年間生産量 | 約5000本 |
栽培 | ビオロジー |
単一区画のぶどうを使用、希少な地品種“セザール”をブレンドしたフラッグシップキュヴェ。テロワールを十分に表現したワインの純粋さ、フィネス、ミネラル感に重点を置いています。セザールの香りがほのかに香り、様々な特徴があるイランシー。このアペラシオンの本質をよく表しており、タニックで大胆な味わい。鮮やかな赤色で、とてもクリアな色調。香りもとても複雑でやや胡椒を感じさせる香りもみられます。果実味はどちらかというと黒系の果実の力強い香り。ほどよく効いた樽香とヴァイオレットを思わせるフローラルな香りがさらにその複雑味を引き立てています。
一問一答
Q. お名前と誕生日、家族構成をおしえてください
ダヴィド・ルノー、1977年5月19日生まれ。独身です。
Q. ドメーヌの創業はいつですか?
1920年初頭からイランシーでワインづくりをしていた家系らしいです。僕で4代目になります。
Q. ワインをつくろうと思ったきっかけをおしえてください
小さな頃から両親やおじいさんと一緒に畑にいたり仕事の手伝いをしてた。それで徐々に興味をもって、この家系の伝統を継ぐべきだと思ったんだ。
Q. どこでワインづくりを学びましたか?
ボーヌの栽培醸造学校。そのあと、ヴォルネイのRossignol-Fevmerで修業した。
Q. 先代、お父さん、師匠から教わったことで印象深いことをおしえてください。
より正確により厳密に仕事をし、怠けないということ。
Q. ワインづくりで大切にしていることは?
リスペクト。自然や畑やお客さんなど取引しているすべての人に尊敬の念をもつこと
Q. あなたが独自に工夫して大切にしていることはなんですか?
マジシャンではないので、より正確に仕事をし、常に丁寧に。すべてにおいてバランスが大切だと思うから。
Q. どんなワインをめざしていますか?
まだまだ自分のワインは良くなると信じている。フィネス、フレッシュさがバランスのよいワイン。やりすぎてないけど美しさをもっているワイン。
Q. 印象に残った年とエピソードを教えてください。
1995年と1999年。当時では、最もバランスがとれた年だなと自信があった。
Q. もらえるとしたらつくってみたいワインはありますか?
斜面と川がみえる畑。コート・ロティやリースリング・モーゼルなんかもいいな。イランシーもそうだから。
Q. 自身のワイン以外で好きなワインをおしえてください
Dm.フレデリック・エスモナンのシャンベルタン。あとは、トラペも。ブルゴーニュの赤に惹かれる。特に人とワインの両方がいいところに。
Q. 楽しみにしていること、趣味をおしえてください
セラーを新しくしているのでそれが完成するのが今の楽しみ!あとは、狩猟(狩猟の時にならすラッパの音が大好き!)や山の散歩、マウンテンバイクに乗ること。
絵の鑑賞。ピアノ。
Q. 苦手なものはありますか?
エゴイスト。人の気持ちをわかちあえる人が好きだから。
Q. 休みが一か月あったら何をしたいですか?
リュックサックを持って放浪の旅にでる。行き当たりばったりでいろんな人に出会うのは楽しそう。
Q. 行ってみたい国、場所をおしえてください
イタリアやオーストリア(ワインに興味があるから)。あとは、日本!
Q. ワインをつくっていて一番の苦労はなんですか?
いつも苦労はあるんだけど、それの良い面をみたり良い方向に考えたりするなどで、考え方をかえてみるのが大切じゃないかなと思っている。
Q. どの季節のぶどう畑が好きですか?
春。生命がよみがえり、鼓動を感じる季節だから。
Q. あなたの自慢の一本をおしえてください
ボーペシオ(Vaupessiot)のワイン。パーセルの歴史などが好きなんだ。
Q. あなたのワインに合うと思うお料理をおしえてください
素材が素晴らしいものをシンプルにグリルしただけの肉や、軽いソースをかけた魚なども合いそう。
Q. 和食は食べたことがありますか?好きなメニューはありますか?
食べたことがない、ここは田舎だからね。パリで食べるのもいいのかもしれないけど、せっかくだから日本で食べてみたい。
Q. あなたのワインをどんなシチュエーションで飲んでもらいたいですか?
小さなテーブルに仲間と寄り添って座って、ハムやチーズなどのおつまみをつまんだりして、楽しい話をしながらカジュアルに飲んでほしい。
Q.おすすめのレストランを教えてください
イランシーに一軒しかないレストランだけどおいしいよ。ル・スフロ(Le Souffelou)
Q. 座右の銘は?
今のところないので、、10年後までにはかっこいい何かをみつけるよ!
Q. 日本のイメージは?
人口密度が高い国、人々が謙虚であること。
Q. 日本であなたのワインを飲む人にメッセージをお願いします
楽しんでください!シンプルに先入観なく飲んでほしいです。
いろはわいん 生産者情報
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