
星付きレストランがこぞってオンリストするモンタニー
生産者について
ステファン・アラダムは1992年に彼自身が18歳のときに設立されたドメーヌです。所有する畑の面積は設立当初はわずか3haのみでしたがこつこつと資金を貯め、優良区画を買い足し現在では倍以上の7haに広がっています。開業して20年(なので現在38歳ですが、早くもベテランの風格があります。)の経験からモンタニーのテロワールを知り抜いている彼は、プルミエ・クリュの畑しか所有していません。その中でも特に素晴らしい区画を選び抜いて所有しています。今でこそモンタニーを代表する生産者の一人となった彼ですが、ドメーヌ設立当初から順風満帆ではありませんでした。もともとモンタニーはマイナーなアペラシオンで、国内でも知名度は高くありません。生産量も少ない上、注文も少なく「最初の頃はバラで数本なんていう出荷しかない日が続いたよ。」と、当時を振り返ります。しかし、モンタニーのポテンシャルにいち早く気づき、きめ細やかで丁寧な畑での作業(後述します)を繰り返し、地道にワインを造り続けました。数年後に転機が訪れます。ワインのクオリティがミシュラン3つ星レストランのシェフソムリエに認められ、多くの有名レストラン、星付きレストランがこぞって注文をするようになりました。現在では様々なワインガイドに取り上げられ、海外からの注文も多くなっています。しかし、彼は「輸出は50%まで」と決めています。それは設立当初から応援してくれた、地元や国内の個人客と、分のワインを見出してくれた、国内のレストランとワインショップを大切にしたいという想いからです。(いろはわいんは分けてもらえて良かったです。在庫は少量しかありませんでしたが。地元のファンの分を減らしてしまうのは心苦しいですが、次回から徐々に増やしてもらえるようにがんばります。)

「トップ生産者となった今でも創業時からの個人客にとても感謝しており、彼は人とのつながりを非常に大切にしている。まさに、テロワールと人とが結び付いたワインなのだ!」(BOURGOGNE AUJOURD’HUI No.104 ステファン・アラダムの特集記事より。)
今や国内外で知られるモンタニーのトップ生産者となったステファン・アラダムは、2012年からネゴシアン(買いぶどう)部門もスタートしました。
ネゴシアンなら他のアペラシオンも購入が可能ですが、モンタニーに惚れ込んでいる彼のこと、購入するぶどうもモンタニー、しかも1級のみという徹底ぶり。
ドメーヌ + ネゴシアン = 「200%モンタニー」と評されたモンタニーを愛する生産者です!
畑・醸造について
モンタニーの1級畑は傾斜の強い丘陵にあり、土壌は泥灰土に、シャブリと同様なキンメリッジ階の石灰岩。栽培は厳格なリュットレゾネ。現在所有する畑の約半分でビオによる栽培をおこなっており、年々ビオへの切り替えを進めています。ステファンはワイン造りにおいて創業時から畑での作業に重点を置いており、特徴的なのは、芽掻きを重点的に行いグリーンハーヴェストを極力しないことです。「グリーンハーヴェストを一度してしまうとぶどう樹が実をたくさんつけるようになってしまい、その翌年の樹勢が強くなってしまう。なので翌年もグリーンハーヴェストをしなければならなくなり、結局毎年その作業をし続けなければならなくなってしまう。最初に芽掻きで収量を制限した方が、質の良いぶどうだけを実らせることができるんだ。」(ステファン)
醸造においては、ぶどうは除梗せずに茎を傷つけないように、風船式のプレス機で時間をかけてゆっくり優しくプレス。デブルバージュは一日かけて行われます。
発酵には、天然酵母を使用。「野生の酵母を使うと、畑の個性が生き生きと分かりやすくワインに表れてくる。テロワールを表現しようと思ったら、天然酵母を使うことは欠かせない。」(ステファン)
ワインについて
彼らのワインはさまざまなワインガイド誌で激賞を受けています。
・LE GUIDE des mailleurs vins de France
「超完璧主義者で探求者。彼のモンタニー・ブランは、フレッシュで、アロマティック、時にほんのりとマスカット香もし、すっごく心地よい。それなのに、価格も極めてリーズナブル!! 2010年は完璧にうまくいった年になった。熟成のポテンシャルも興味深く、彼の素晴らしいキュベで構成(アッサンブラージュ)されたVVは、ボリュームといい、広がりといい、ピュリニー一級に匹敵する!!」(2013年度版)
・BOURGOGNE AUJOURD’HUI
「“真の価値” 18歳という若さでドメーヌを始め、ほぼ全てのキュヴェがモンタニー1級。畑も厳格なリユットレゾネに変えて、ワインはよりフィネスとミネラル溢れるものになった。」(No.94号「2009年ヴィンテージ特集」でクー・ド・クール」
また、オンリストするフランス国内のレストランは200以上!その内1/3がミシュラン星付きレストラン。ガストロノミーからの評価と支持が高いことの証明です。
【3つ星レストラン(7軒)】
Georges Blanc、Le Petit Nice、Restaurant Troisgros、Restaurant Marcon Régis et Jacques、L’Arnsbourg、Restaurant Lameloise、Plaza Athénée
(2つ星レストランは8軒、1つ星レストランは49軒)
Montagny 1er Cru Découverte
モンタニー・プルミエ・クリュ・デコヴェルト
品種 | シャルドネ100% |
---|---|
土壌 | 粘土石灰質 |
区画 | 1級「レ・マロク」の畑から |
栽培 | リュット・レゾネ(ビオロジー転換中) |
醸造 | ステンレスタンク |
「樹齢がやや若い区画ながらこのフレッシュでフルーティなワインは、ぶどう本来のピュアなアロマと果実味、そして美しいミネラルを十分に引き出しています。ぶどうの果実をそのままワインにしたような味わいを楽しめます。」(ステファン)
Montagny 1er Cru Sélection Vielles Vignes
モンタニー・プルミエ・クリュ・セレクシオン・ヴィエーユ・ヴィーニュ
品種 | シャルドネ100% |
---|---|
土壌 | 粘土石灰質 |
区画 | 1級「レ・プラティエール」「レ・ラ」「レ・グレス」「レ・マロク」の畑から |
栽培 | リュット・レゾネ(ビオロジー転換中) |
醸造 | ステンレスタンクと使用樽で50%ずつ熟成 |
「高樹齢の区画のみのブレンドキュヴェ。果実の丸みとミネラル感が、オーク樽の程よいトースト感と大胆にマッチしている。余韻も非常に長い。」「調和の取れたハーモニーが魅力的なキュヴェ。フローラルのアロマに、繊細なグリルの薫り。フレッシュでグルマンな一本。」
【BOURGOGNEAUJOURD’HUI No.94 VT2009】 / 【LE GUIDE HACHETTE DES VINS 2013 2010VT
Montagny 1er Cru Les Coères
モンタニー・プルミエ・クリュ・レ・コエール
品種 | シャルドネ100% |
---|---|
土壌 | 粘土石灰質 |
区画 | Montagny-lès-Buxy村1級「レ・コエール」の畑から |
栽培 | リュット・レゾネ(ビオロジー転換中) |
醸造 | オーク樽の使用樽 |
粘土質の高い土壌から生まれる、豊かなミネラル。熟した洋梨やメロンのような芳醇な香り。密度が高く、骨格のしっかりしたワイン。
Montagny 1er Cru Les Maroques
モンタニー・プルミエ・クリュ・レ・マロク
品種 | シャルドネ100% |
---|---|
土壌 | 粘土石灰質 |
区画 | Montagny-lès-Buxy村1級「レ・マロク」の畑から |
栽培 | リュット・レゾネ(ビオロジー転換中) |
醸造 | ステンレスタンクで20%、使用樽で80%熟成 |
白桃や白い花の香りに、レモンバームやミントのような爽やかなハーブ香。非常に繊細なストラクチャーを持ち、ミネラルが際立っています。余韻も長く続きます。
いろはわいん 生産者情報
PDF版生産者情報をご希望の方は下記よりダウンロード下さい