ビオディナミで表現する「ヴァン・ド・シャンパーニュ」
生産者について
オーブ県ジエ・シュール・セーヌに本拠地を置く、ビオディナミのRMです。フィロキセラ禍と2つの世界大戦後、オーブのぶどう農家であったバルビション家とプレラ家は、荒れ果てたぶどう畑を再興させました。その後、ロベール・バルビションとマリーヴォンヌ・プレラが出会い“シャンパーニュ・バルビション”が誕生しました。現在、4代目となるトマが当主となり、栽培、醸造を行なっています。もともと地元のレストランや知り合いに販売していた小さな小さな生産者でしたが、2004年にシャンパーニュ・フルーリー(Chanpagne Fleury)などで研修を終えてドメーヌに戻り、そこから劇的に進化が始まりました。
シャンパーニュにおいて不遇な歴史のあるオーブですが、この当主は言います。「昔はブルゴーニュの一部であった、ここオーブでだからこそできる、ワイン的なアプローチのシャンパーニュを造りたい」。この地では、「単一品種」「単一区画」といったブルゴーニュの影響が色濃く残っています。

畑について
畑はオーブ県、コート・デ・バールのセル・シュール・ウルスの南6kmほど、レ・リセの6kmほどに位置しており、12区画6haほど所有しています。
品種構成はピノ・ノワール 79%、シャルドネ 10%、ピノ・ブラン 6%、ピノ・ムニエ 5%。フルーリー修業時代にビオディナミ栽培でのぶどう栽培に共感、納得し、2005年からビオロジックへと転換を開始し、2010年からビオディナミの認証をEcocertとDemeterから受けています。化学合成物質を不使用とし、ビオディナミではプレパラシオンと呼ばれる調剤を使用することで、土中微生物の「再活性化」を行っています。「土を耕し調合した自然有機調剤を使用することが、土中微生物のバランスを保つことに繫がっているんだ。」SO2はデゴルジュマン前のみわずかに40mg/Lを添加し、醸造中はほぼゼロとなっています。瓶詰は、ぶどうの開花後の4月を目安としています。多くの生産者が1月に瓶詰めを行いますが、ワインを休ませる時間を長くとることで、一次発酵が終わったばかりでも酒質が安定しておいしいワインになる、とのことです。シャンパーニュ地方ではビオロジックは少数派にとどまっており、全体のわずか8%のみでビオが採用されているに過ぎないといいます。
土壌はジュラ紀後期キンメリッジ階(約1億4500万年前)のカキ化石を含む泥灰土、粘土質石灰岩土壌。この土壌はオーブ県の一部に見られる中生代ジュラ紀後期に属するもので、コード・デ・バールを特徴づけるものです。海から隆起し石灰質の丘陵を形成、川がより柔らかい粘土質を浸食、深い渓谷で隔てられた丘陵地帯となりました。現在、その谷の斜面にブドウ畑が広がっています。
気候は、平均的な年間降水量は680mm、年間平均気温は11度。シャンパーニュ地方の気候は海洋性気候と大陸性気候の2つの気候によって、他の気候帯と区別されており、北部気候と呼ばれています。この気候は暑い夏と厳しい冬が特徴です。この2つの気候により、海洋性気候の特徴である定期的な降雨と、大陸性気候の特徴である不定期ながら控え目な降雨がもたらされます。
ワインについて
NV Brut Tradition Blanc de Noirs
ブリュット・トラディション・ブラン・ド・ノワール
| 品種 | ピノ・ノワール97%、ピノ・ムニエ3% |
|---|---|
| 栽培 | ビオロジー、ビオディナミ |
| 平均樹齢 | 38年 |
| 土壌 | キンメリジャンの粘土質石灰土壌 |
| 醸造 | 熟成はタンク90%、木樽10% |
| ドザージュ | 0g/L |
キンメリジャンで栽培されたピノ・ノワールの魂と個性を反映したキュヴェ。
NV Brut Réserve 4Cépages
ブリュット・レゼルヴ・キャトル・セパージュ
| 品種 | ピノ・ノワール70%、ピノ・ブラン11%、シャルドネ13%、ピノ・ムニエ6% |
|---|---|
| 栽培 | ビオロジー、ビオディナミ |
| 平均樹齢 | 41年 |
| 土壌 | キンメリジャンの粘土質石灰土壌 |
| 醸造 | 熟成はタンク90%、木樽10% |
| ドザージュ | 3g/L |
シャンパーニュ・バルビションを象徴するキュヴェ。ドメーヌ全区画のワインがアッサンブラージュされています。
NV Extra Brut Blanc de Blancs
エクストラ・ブリュット・ブラン・ド・ブラン
| 品種 | シャルドネ70%、ピノ・ブラン30% |
|---|---|
| 栽培 | ビオロジー、ビオディナミ |
| 平均樹齢 | 30年 |
| 土壌 | キンメリジャンの粘土質石灰土壌 |
| 醸造 | 熟成はタンクのみ |
| ドザージュ | 1g/L |
ピノ・ブランがシャルドネを補完する興味深い香りを持つ、希少で特別なブラン・ド・ブラン。
NV Demi Sec
ドゥミ・セック
| 品種 | ピノ・ノワール70%、シャルドネ13%、ピノ・ブラン11%、ピノ・ムニエ6% |
|---|---|
| 栽培 | ビオロジー、ビオディナミ |
| 平均樹齢 | 40年 |
| 土壌 | キンメリジャンの粘土質石灰土壌 |
| 醸造 | 熟成はほぼタンクのみ、一部にオーク樽使用 |
| ドザージュ | 32g/L |
NV Brut Rosé de Saignée
ブリュット・ロゼ・ド・セニエ
| 品種 | ピノ・ノワール100% |
|---|---|
| 栽培 | ビオロジー、ビオディナミ |
| 平均樹齢 | 50年 |
| 土壌 | キンメリジャンの粘土質石灰土壌 |
| 醸造 | 熟成はタンクのみ |
| ドザージュ | 0g/L |
ドメーヌでは色合いの濃さ、赤い果実の香り、フレッシュさを保つロゼを望んでいるため、アッサンブラージュによるロゼは これまで一度も醸造されたことがなく、ドメーヌにとって歴史的ともいえるロゼ。
一問一答
Q. お名前と誕生日、家族構成をおしえてください
トマ・バルビション。1979年11月21日。両親と兄弟、妻と娘が2人いるよ。2013年9月に父のマキシム・バルビションが正式に引退して、僕が当主になるよ。
Q. ドメーヌの創業はいつですか?
ドメーヌとしてビン詰めを開始したのが1981年。ブドウ農家としての歴史は古くて、曾祖父が移民で、配偶者所有の畑でブドウ栽培を始めたのが最初らしい。
Q. ワインをつくろうと思ったきっかけをおしえてください
ワインをつくる家に生まれたから、小さいころから畑にいた。だから自然に自分もつくるようになった。
Q. どこでワインづくりを学んだのですか?
リセ・ヴィティコールを出て、ブルゴーニュ、アルザス、シャンパーニュで修業をしました。
Q. 先代、お父さん、師匠から教わったことで印象深いことをおしえてください
ぶどうの質が大切だということ。
Q. あなたが独自に工夫して大切にしていることはなんですか?
父から教わったぶどうの質が大切だということを一番心にとめている。当たり前のことを確実に。頭を柔らかくして柔軟な発想を持って、いろんなことに興味をもつ。
Q. 印象に残った年とエピソードを教えてください。
フルーリーで修業していたころのことだけど、2005年のドゥーの味は今も忘れられない。甘口だけどきちんとした酸があって素晴らしかったよ。
Q. もらえるとしたらつくってみたいワインはありますか?
畑そのものよりも、畑を自由に買えるだけの資金がほしいよ。笑
Q. 自身のワイン以外で好きなワインをおしえてください
ラングドックの赤とピック・サン・ルー、スイスのピノ・ノワール。とても対極的でおもしろい。
Q. 楽しみにしていること、趣味をおしえてください
趣味か、、、あまりないなあ。仕事?かな。たまに空いた時間に家族でゆっくり過ごす時間が楽しみなんだ。
Q. 苦手なものはありますか?
大手メゾンのシャンパーニュ!笑 仕事上、大切なお客様でもあるから大きな声では言えないけど、、、。いや、もちろん、尊敬もしてるけど、、、。
Q. 休みが一か月あったら何をしたいですか?
2週間は旅行、1週間は1人の時間(ぼーっとしたり本を読んだりお酒を飲んだり)に使って、あと1週間は家族で過ごす!
Q. 行ってみたい国、場所をおしえてください
僕のシャンパーニュを飲んでくれてる人に会いたいから、日本にはぜひ行ってみたい。あとはイタリアかなあ。
Q. ワインをつくっていて一番の苦労はなんですか?
不景気。これにはまいってる。
Q. どの季節のぶどう畑が好きですか?
冬から春にかわるとき。そこいら中に生命が満ち溢れてるよ。
Q. あなたの自慢の一本をおしえてください
エクストラ・ブリュット・ブラン・ド・ブラン。あ、でも、今年のものより来年のものがもっとおいしい。僕はまだまだ成長中だから毎年クオリティはあがるはず!笑
Q. あなたのワインに合うと思うお料理をおしえてください
素材をいかしたシンプルな調理法の料理のほうが合いそう。食べたことないけど和食はどう?合いそうな気がするんだけど。
Q. 和食は食べたことがありますか?好きなメニューはありますか?
食べたことないから、日本で日本料理を食べたい。フランスで寿司を食べたことはあるけど、日本の寿司はほんとは全然ちがうんでしょ?
Q. あなたのワインをどんなシチュエーションで飲んでもらいたいですか?
僕が決めることではないけれど、、、買ってくれた人が楽しんでもらえたらそれでうれしい。
Q. 座右の銘はなんですか?
疑いがなければそこには疑いがない。疑いや不安を持たないほど完成度が高いことが成功の秘訣と思っているんだ。
Q. 日本のイメージは?
伝統を守りつつ新しいものを取り入れてる、というイメージ
Q. 日本であなたのワインを飲む人にメッセージをお願いします
ワインをどんどん飲んでください。そして、ワインをもっともっと好きになってもらえたらうれしい。
いろはわいん 生産者情報
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