
伝統と革新のチャコリが
ゲルニカの生物圏保護区で復活
生産者について
1989年、ビスカイアでのチャコリの生産を復活させたいと願う有志によりプロジェクトが発足。1995年、ムスキスの畑にブドウの樹を植えました。しかし、こちらの畑では、わずか25000リットルの生産しかできなかったため、その反響の大きさから、2002年ゲルニカのウルダイバイ生物圏保護区(1984年ユネスコ認定)の中にワイナリーを移転し、自然との融合をめざしたワイン生産が本格的にスタートしました。イチャスメンディの名前は、ビスケー湾の近くにある丘の名前に由来していて、「Itsas」はバスク語で「海」、「Mendi」は「山」の意味をもちます。今では、この丘を含む35haの畑を所有し、すべての畑で自然との融合を目指し、できたぶどうを最先端の技術で醸造することで伝統的なチャコリだけでなく、赤ワインやスティルタイプのチャコリ、甘口ワインなど従来のイメージにとらわれることのない発展させたワインづくりをおこなっています。
ゴルゴイツ・リオス・ウルバネタ氏(1966年生まれ)は1990年のイチャスメンディ発足時から栽培、醸造の中心メンバーで、一時はアナ・マルティン氏と共同で醸造をおこなっていましたが、現在は、彼が中心となり醸造をおこなっています。自然と共存する姿勢はワイナリー設立時からかわらず、技術だけに頼らずぶどうが本来もっている強さを引き出すピュアなワインづくりを心掛けています。スペイン国内外からの人気はともに高く、スペイン国内の多くの有名レストラン(「マルティン・ベラサテギ」ミシュラン3つ星、「ムガリッツ」ミシュラン2つ星、「ネルア」「ラ・ミナ」「アサドール・エチュバリ」ミシュラン1つ星、など)でオンリストされています。

畑・醸造について
現在の所有面積は、35ha。ビスケー湾からの影響をうけ、冬は寒く夏は涼しい地域です。日照時間は、1950時間/年で、年間降水量は900~1500mm。雨の多いこの地域で、農薬の使用を最低限に抑え自然との共存を目指しています。2006年からは、バスク政府の技術調査センターと協力して土壌、岩層、標高などさまざまな要素をおりまぜた土壌マップを作成し、ワインづくりに役立てています。土中にある生物の多様性を理解し共存することが、この地のテロワールを最大限にいかしたワインづくりにつながると考えています。彼らの根底にある「自然との共存」のため、もちろん栽培は実質ビオロジーです。年間生産量は250000本で、うち20%がヨーロッパやアメリカを中心とした輸出にあてられています。
ワインについて
Bizkaiko Txakolina Itsasmendi
ビスカイコ・チャコリーナ・イチャスメンディ
品種 | オンダラビ・スリ50%、オンダラビ・スリ・セラティエ(プティ・クルヴュ)50% |
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面積 | 35ha |
区画 | 12の町にまたがった18のぶどう畑より |
土壌 | 石灰質、砂質、土泥質等の畑から、選果して収穫。 |
バランスがよく、フレッシュでやわらかい口当たりが特徴のチャコリ(スティルワインタイプ)。柑橘や、白い花、アプリコットやアニスのようなニュアンスもあります。余韻が長く、ほんのりとした洗練された苦みが後味にある、良い意味でチャコリらしいチャコリ。イチャスメンディのスタンダードチャコリとなります。
Bizkaiko Txakolina Itsasmendi NO7
ビスカイコ・チャコリーナ・イチャスメンディ・ヌメロ・シエテ
品種 | オンダラビ・スリ80%、リースリング20% |
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面積 | 35ha |
区画 | 12の町にまたがった18のぶどう畑 |
土壌 | 石灰質、砂質、土泥質などの畑から、選果して収穫 |
醸造 | シュル・リーで10ヶ月。 異なる区画ごとに収穫、醸造されたタンクからセレクトしてブレンドしてつくるワイン。その年のぶどうのキャラクターを表現した、長熟なチャコリの生産にチャレンジしたイチャスメンディの意欲作であり代表作。ステンレス槽の番号である「7」は、今や多くの人がその名を知ることとなり、このチャコリを飲めば、それまでのチャコリのイメージが覆されることでしょう。 |
Itsasmendi Parcelarios 7.1 “Aldapa”
パルセラリオ7.1 “アルダパ”
品種 | オンダラビ・スリ・セラティア100% |
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区画 | 標高46メートル、傾斜度33%。オンダラビ・スリ・セラティアの区画で、1999年植樹。 |
土壌 | 土壌は粘土 質̶砂質、粘土̶シルト、砂で形成される母岩までの深さは1.20メールほど。 |
生産本数 | 1,020本 |
「ヌメロ・シエテ」を構成するワインの区画の1つ、『アルダパ』のぶどう100%。
Itsasmendi Parcelarios 7.2 “Dinesalde”
パルセラリオ7.2 “ディネサルデ”
品種 | オンダラビ・スリ100% |
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区画 | 標高57メートル、傾斜度15-20%。オンダラビ・スリの区画で、2010年植樹。 |
土壌 | 粘土質土壌でpHは6.5、母岩は石灰質̶砂質、粘土質。 |
生産本数 | 562本 |
「ヌメロ・シエテ」を構成するワインの区画の1つ、『ディネサルデ』のぶどう100%。
Paradisuak Janeo(Muskiz)
パラディスアク・ハネオ(ムスキス)
品種 | ピノ・ノワール100% |
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区画 | ムスキス |
醸造 | ステンレスタンクで発酵後、白土のタンクで3ヶ月間熟成。 |
生産本数 | 1200本 |
ブラックベリーや野生のハーブを思わせるアロマ。やわらかく繊細な口当たり。アルコール度数は14度ありながら酸度も高い。ロゼながらとてもガストロノミックで素晴らしいワインです。
Itsasmendi Batt Berri
イチャスメンディ・バット・ベリ
品種 | オンダラビ・スリ100% |
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区画 | 標高300メートルに位置し、ぶどうの成熟第3週に、ぶどうが例年よりも完熟している区画 |
醸造 | 全房のまま、亜硫酸を添加せずにマセラシオン・カルボニックを行い、円錐形のステンレススティールタンクにて自然発酵。除梗後、発酵の最終ステージで温度をコントロール。その後、3ヶ月ほど澱とともに寝かせます。フィルタリング、冷却処理はいずれも行いません。 |
ノンフィルターのチャコリで、果皮とともに発酵させているため色はオレンジがかっています。また、フルーティーで、花梗とともに発酵させているためタンニンも感じられ、オンダラビ・スリの良質な酸が特徴的なワインです。生産量わずか1,200本の限定生産商品です。
Itsasmendi Eklipse
イチャスメンディ・エクリプセ
品種 | ピノ・ノワール75%、オンダラビ・ベルツァ25% |
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面積 | 1.85ha |
平均樹齢 | 20年以上 |
生産本数 | 2948本 |
区画 | 海にほど近い2つの区画、ゴルリッツGorliz(1.1ha)とムスキスMuskiz(0.75ha)から |
土壌 | 石灰質と粘土質 |
醸造 | ステンレスタンクで発酵後、2000リットルのフランス産新樽で6ヶ月熟成させます。樽熟の期間を設けることでワインの輪郭をはっきりさせ、より複雑味のあるワインへと仕上げます。 |
ビスカイヤ政府と「ビスカイコ・チャコリーナ」の新プロジェクトの一つとして生まれた赤ワインで、2011年がファーストヴィンテージ。その道のりは困難極まるものでしたが、ピノ・ノワールとオンダラビ・ベルツァのブレンドにより、海に面したビスカイアならではの香りも感じることのできるすばらしいワインが出来上がりました。「エクリプセ」は「月食」の意味で、月(チャコリの白い世界)を蝕す赤い太陽(赤ワイン)をイメージしており、ラベルにもその様子が描かれています。果実味にほどよいミネラルが溶け込んでいて、魚料理との相性も抜群です。 【Guía Peñín2017 VT2014:90Point】
Itsasmendi Urezti
イチャスメンディ・ウレスティ
品種 | オンダラビ・スリ・100% |
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面積 | 2ha |
土壌 | 粘土質 |
醸造 | 収穫は、11月頃。 |
遅摘みのぶどうでつくる甘口のチャコリ。輝く黄金色で、完熟したパイナップルやグレープフルーツのような香り。ハチミツのような味わい。余韻長く、きれいな酸があるワイン。チャコリで先駆けて甘口ワインの生産を開始。【Guía Peñín2017 VT2012:92Point】

いろはわいん 生産者情報
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