
ワインで表現する、バスクの自然と風景
生産者について
オシェール・バステヒエタ(Oxer Bastegieta) は、1999 年、DO ビスカイコ・チャコリーナのコルテスビで彼の父の畑を引き継ぐ形でワインづくりをスタートしました。
それ以前から彼は、仲間と一緒に「ビスカイバルネ」という生産者名で長熟チャコリの生産を行っていましたが、こちらはそれとは別につくられる彼個人のワインとなります。

オーガニック農法で一部ビオディナミ農法も取り入れながら、土着酵母使用、無清澄、無濾過でつくられるワインは、すべてのワインに「研ぎ澄まされた」印象があります。
2009 年、オシェールは、同じくバスク州内のリオハ・アラベサで実験的にワインをつくりましたが、その出来と可能性に驚き、拠点をリオハ・アラベサに移すことを決意しました。こうして、オシェールとしてのリオハ・アラベサでのワインづくりがスタートします。樹齢100 年ほどの高樹齢の区画の購入を重ね、モノセパージュ、単一区画で生産、こちらも土着酵母使用で、ぶどうの栽培はオーガニック農法で一部ビオディナミを取り入れています。
畑・醸造について
チャコリ、リオハ・アラベサともに、オーガニック農法で一部ビオディナミを取り入れています。ぶどうはすべて手摘みで、土着酵母使用。高樹齢のぶどうは、早期に摘み取り、ほとんど抽出せず、複数の容器( ステンレスタンク、卵型のコンクリートタンク、アンフォラ、さまざまな大きさのフレンチオーク樽) を組み合わせて発酵と熟成を行うことで、自然な酸味が得られます。
ワインについて
ビスカイコ・チャコリーナ・マルコ Bizkaiko Txakolina Marko

品種 | オンダラビ・スリ・セラティア60% オンダラビ・スリ40% |
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土壌 | 粘土石灰質 |
区画 | 世界文化遺産サンティマミニェ洞窟で知られる、小さな古い村コルテスビの畑 |
醸造 | 土着酵母を用い、ステンレスタンクで発酵。その後3ヶ月バトナージュで澱を撹拌し、さらに香りを引き出します。 |
収穫時期を遅らせ完熟したぶどうを使った、スティルタイプのチャコリ。「マルコ」は、この地にあるオシェールの家族の屋敷の名前。ラベルの原始人はサンティマミニェ洞窟の壁画から着想されています。柑橘、青リンゴ、ローリエ、フェンネルの香りのフレッシュなワイン。シュール・リーによるやわらかい酸が特徴です。
ビスカイコ・チャコリーナ・マルコ・グレ・アルバソアック Bizkaiko Txakolina Marko Gure Arbasoak

品種 | オンダラビ・スリ・セラティア40%、オンダラビ・スリ40%、プティ・マンサン20% |
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土壌 | 粘土石灰質 |
区画 | 世界文化遺産サンティマミニェ洞窟で知られる小さな古い町コルテスビ村の畑 |
醸造 | 半分はフレンチオーク樽、残りの半分はステンレスタンク発酵。8ヶ月のシュール・リーを経て無濾過で瓶詰め。 |
家族と自然への敬意をこめ、「グレ・アルバソアック(私の祖先に)」と名づけたチャコリ。ラベルには古代バスク語で「1,2,3で全部飲み干せ」と書かれています。完熟したりんご、イースト香。クリーミーな口当たりとスモーキーな後味、ミネラル感も豊富で非常に複雑な味わい。長期熟成も可能なチャコリです。
イラウン Iraun
品種 | ビウラ97%、ガルナッチャ・ブランカ3% |
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土壌 | 粘土石灰質 |
区画 | リオハ・アラベサのエルヴィジャル(標高600m)にある1haの単一畑で、テンプラニーリョ、ビウラ、ガルナッチャ・ブランカの混合区画 |
醸造 | 土着酵母を使用し、まずステンレスタンクで、その後アンフォラとフレンチオークの古樽で発酵。フレンチオーク樽でさらに12ヶ月熟成。 |
イラウン=「永遠」「ずっと続く」の意味。ラベルには、自らの尾を噛む蛇ウロボロスが描かれています。フレッシュさと繊細さを特徴とするビウラを樽熟成させた意欲作。黄桃、レモン、スパイスの凝縮したアロマ。口に含むと石のようなミネラルが感じられます。樽に影響されすぎず、テロワールをしっかりと表現した熟成白リオハ。
スザンヌ Suzzane

品種 | ガルナッチャ100% |
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土壌 | 鉄分を多く含む粘土質土壌 |
区画 | リオハ・アラベサのカルデナス(標高580m)に1903年から続く畑 |
醸造 | 土着酵母を使用。フレンチオークの新樽と古樽、コンクリートエッグで発酵後、12ヶ月熟成。 |
ワイン名はレナード・コーエンの歌『スザンヌ』から。エチケットには『不思議の国のアリス』や、デビッド・リンチの映画『ブルー・ベルベット』のイメージが反映されています。ブラックチェリーやブラックベリーのアロマ、シナモンのような甘いスパイシーな香り、なめし皮の香り。後味にミネラルの余韻が続きます。なめらかなベルベットのようなテクスチャーで、ジューシーな酸と柔らかなタンニンのバランスが良い。非常にエレガントなワインです。
アルティエロ Artillero
品種 | テンプラニーリョ100% |
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土壌 | 粘土質土壌 |
区画 | リオハ・アラベサのエルヴィジャル(標高600m)にある1haの畑で、樹齢100年の区画。テンプ ラニーリョ、ビウラ、ガルナッチャ・ブランカの混合区画 |
醸造 | 土着酵母を使用。コンクリートエッグ、ステンレスタンク、アンフォラ、開放樽で発酵。コンクリートエッグとフレンチオーク樽でマロラクティック発酵。澱引き後12ヶ月間樽熟成。 |
甘いスパイス、スミレ、なめし皮の香り。木苺、チェリー、エルダーベリー、ローストしたプラムなどの黒い果実のアロマが、樽のニュアンスとやわらかく溶け合っています。心地よいフレッシュな酸味と、グリップ感がありながらもきめ細やかなタンニン。ストラクチャーがしっかりしておりバランスがよく、濃密で生き生きとしたワイン。 アルティエロとはスペイン語で「砲撃手」の意味。この畑の元の持ち主が、内戦で砲撃手として活躍していたことから名づけられました。
カラミティ Kalamity

品種 | テンプラニーリョ50%、ガルナッチャ47%、ビウラ2%、ガルナッチャ・ブランカ1% |
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土壌 | 鉄分を多く含む粘土質土壌(リオハ・アルタ)と粘土石灰質 土壌(リオハ・アラベサ) |
区画 | リオハ・アルタの1903年から続く標高580mの畑と、リオハ・アラベサの樹齢90年を超える標高600mの畑 |
醸造 | 土着酵母を使用。各区画から選りすぐりのブドウを選別し、フレンチオーク樽とコンクリートエッグで別々に醸造。12ヶ月間の熟成を経てブレンド。 |
ダークベリー系の果実やスミレの香りから、胡椒のようなスパイシーさ、獣的な香りまで、複雑なアロマ。数年の熟成を経てさらに複雑さを増していくことが期待されます。豊かな余韻とミネラル感を持つワインです。ラベルに描かれた骸骨は輪廻を表しており、エドワード3世の言葉「Honi soit qui mal y pense(悪意を抱く者に災いあれ)」が添えられています。
いろはわいん 生産者情報
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