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株式会社いろはわいん

〒105-0003 東京都港区西新橋1-19-6
桔梗備前ビル603

TEL.03-6459-4715

ムルギアルダイ Murgialdai

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ギプスコア県山側で、500年以上の歴史を持つ希少な畑

生産者について

小規模ながら近代的設備を持つ家族経営のワイナリーで、生産量は年間約30,000本。現当主は Aritz Galdos Sanchez(アリッツ・ガルドス・サンチェス)さん。「ひいおじいさんの畑のぶどうで、チャコリ造りを復活させたい」と一念発起し、野菜が栽培されていた畑を2008年にぶどうに植え替えました。2019年に近代的な醸造所が完成、念願だったチャコリ造りがスタートします。

ファーストヴィンテージは2021年。生産量のほとんどは、地元「オニャティ村」で飲まれており完売してしまいます。2022年にアメリカに輸出が始まりました(←よく見つけたな!とビックリです。私はこの村に住む、バスク大学に通う日本人の方(Dさん、ありがとうございました!)に紹介されました。教えてもらわなければ絶対に知り得ないチャコリです。ごく最近がファーストヴィンテージで、ほぼ地元でしか流通していないし!)

元々学校で教師をしていたアリッツさんは、真面目で勤勉な性格。教師をしながらオニャティ村の農業学校、アラバのワイン学校に通い、現在も栽培と醸造の勉強を続け研鑽を積んでいます。

畑について

山のふもと、ダイナミックな風景の場所に約4haの畑があります。この山「ローニャ・アイツゴリ山脈」は、特有なミクロクリマをもたらし、大陸性気候の熱のコントラストを和らげ、大西洋気候の雨の前線を遮る役割を果たしています。そしてこの山脈の風景は、自然の牧草地のブナやオークの森に由来するフローラルなアロマとなって、チャコリに溶け込んでいます。

この畑の存在に関する最古の文献は1489年まで遡ります。自家消費用ワイン(=チャコリ)を造るためのぶどう畑であったことが、いくつもの文献で証明されています。ひいおじいさんんの畑、古い写真を頼みにかつての姿を想像しながら、畑の復活を進めています。

1850年ごろのムルギアルダイのバセリア(石造りの農家)。左下がこの家のぶどう畑。

栽培方法は「垣根」に変更しながら植え替え、現在平均樹齢は14年です。土壌は砂が多い粘土質、黒曜石。畑は農薬、化学肥料は不使用(ボルドー液のみ使用)ビオロジー栽培へと転換中の、微生物が豊かな良い畑です。

現在、試験中のものも含め5品種植えています。
 オンダラビ・スリ
 オンダラビ・スリ・セラティア
 リースリング「うまく育つ。この土地に合っている。」
 ゲヴュルツトラミネール(試験中)「オニャティはドイツに気候が似ている。」
 オンダラビ・ベルツァ(試験中)「リオハと違う大西洋型の赤ワイン。」

さすがは、研究熱心なアリッツさん。今後の新ラインナップのリリースが楽しみです。

醸造について

収穫は手作業にて、小ぶりな15kg入りの箱を使用。
醸造所は新しく、近代的で清潔な設備が整っています。
・バルーン式プレス
・温度管理可能なステンレスタンク
・シュールリー6~7か月
・1月にボトル詰め

ワインについて

ぶどう品種:オンダラビ・スリ85%、オンダラビ・スリ・セラティア10%、リースリング 5%

テイスティング:フルーティーで爽やかな白ワインで、アルコール発酵時の炭酸ガスを閉じ込めた微発泡タイプです。やわらかでやさしい酸があり、冷涼感のあるワインです。

色は淡く緑がかった黄色。香りは力強く、柑橘類、トロピカルフルーツ、白い花のノートが軽く感じられます。口当たりはフレッシュで、フルーティ、しっかりとした味わいで、フィニッシュは非常にバランスの取れた酸が心地よく、品種の特徴がよく表れています。

ペアリング:脂身ののった魚や貝類、クリーミーなお料理、脂身のあるお料理、塩の効いたお料理など。また、スパイシーなお料理と合わせる場合にも、やや酸味のあるフレッシュなワインは唯一相性がいいと言えるでしょう。

ラベル:ラベルのデザインは、19世紀末に撮影された農家とぶどう畑の写真をモチーフにしたものです。このラベルは3つの価値をお伝えすることを目的としています。

  • 生産地における農家の多様性
  • アイツゴリ・アラツ自然公園がもたらすミクロクリマ
  • 川とカセリオ、ぶどう畑のロケーション